13 空中庭園に行く
青空
飛行機雲
透き通った空気
両手広げて大空へ
ゆっくり
空を飛ぶ
どこまでも高く
どこまでも低く
目をつぶっていい
一人で
二人で
三人で
みんなで飛ぼう
いつまでもどこまでも
いつまでもどこまでも
いつまでもどこまでも
飛んで行こう
飛んで行こう
飛んで行こう
各階にある会議室では、証券会社の儲かる株の見分け方説明会、新しいFXテクニック説明会、ブラック企業の見分け方、コンビニ新店舗開業説明会、定年後人生講演会。
一寸先は闇夜の話ばかりです。
邪馬袋寛治 55歳。やまぶくろかんじ。大柄な肥満体です。阪神大震災に、奥さん、息子二人、大阪に移り住んで来た。
ホテル勤務から転職。アッと時過ぎて15 年タクシー運転手です。タバコ好きです。
東京方面で、禁煙タクシーとなり、東京同じく大阪も禁煙タクシーに。
ところが、タバコ好きには、難しい話で、なぜ、吸ってはいけないんですかと、社長に詰め寄り、絶対タバコやめませんと詰め寄る始末です。
タクシー内で吸えば、懲戒免職です。
邪馬袋寛治も、ドライブレコーダーにタオルかぶせて、吸っていました。
同僚が、会社に伝えて、注意を受けました。
邪馬袋「タバコぐらいで、クビならない」
本人、平気でした。
売り上げは、普通の上でした。
バブル経済飛んで、リーマンショック接待チケットなし、新型コロナウイルス誰も歩いていません。
売り上げなし。
いつも不安定状態です。
ただ、奥さんと、息子二人です。家族4人皆働けば、一人月給13万円x4人=合計52万円です。新車で、出勤。
また、生まれ育った神戸にもどったそうです。
しかし、タバコはやめなかったです。
同僚が、会社に報告しました。
会社「やめてもらいます」
邪馬袋「タバコでクビはない」
会社「規定により、2回目喫煙は、退職です」
結局、15年勤務退職です。
雨です。空中庭園下タクシー乗り場から、中津十三バイパス淀川渡り、Uターン十三大橋から再度淀川渡り、梅田三番街へ。
青空は、飛べませんけれど、橋の上は、信号がないので、ゆっくり深呼吸して気を落ち着けます。
走りながら深呼吸です。