シナリオ PART17

69 ホテル記者会見会場

白馬熊男社長と辰巳大蛇社長が、握手する。

記者の声A「奇々怪々。魑魅魍魎の伏魔殿。おかしな話だ。東京赤字タクシーと大阪赤字タクシーが合併協力。白馬の騎士の白馬タクシーが、大暴走。走る場所を間違えて高速道路走り出した。倒産への第4コーナーへ真っしぐら。リストラしかないのか?」

記者の声B「倒産するわけないだろう。私腹を肥やして、うまくやってるんだよ」

記者の声C「働いている者は、生殺しだ」

記者の声D「働けど働けど良くならない、おいらの生活」

壇上で、白馬熊男と辰巳大蛇が、シャンパンを抜いている。

シャンパン、ポン。

シャンパン、ポン。

お互い開けたシャンパンが、背広に掛かり、頭からシャンパンの注ぎ合いになる。

辰巳大蛇、怒りと笑顔混じる。

白馬熊男、大笑い。

記者の声E「何やってるんだ?」

ホテル職員や記者たちが、白馬熊男と辰巳大蛇の喧嘩ヘッドロックを解き放す。

記者の声F「熊と蛇の戦い。

見ものだね」

70 タクシー会社玄関 夕陽

会社看板変更。

辰巳タクシー株式会社から白馬辰巳タクシー株式会社に。

タクシー運転手たち、見ている。

71 朴一根自宅 朝

出勤。

朴「会社、クビ」

首に手当てる。

徐山子「出勤?」

朴「20年以上働いている。働き過ぎ」

山九「辞めやて」

おばあさんに言う。

徐山子「いってらっしゃい」

朴「辞めさしてもらいます」

山九「バカ親父」

朴「働き過ぎ」

山九「他のタクシー会社は?」

朴「年金。どこも雇ってくれません」

徐山子「貰えるわけない」

徐山子、笑いながら、足踏み体操する。

山九「どうするの?」

朴「休憩。再婚。世の中、男と女やで」

山九「働かな。あるか」

朴「女。女。女やで。行ってきます」

山九「いってらっしゃい」

徐山子、笑いながら、足踏み体操している。