7-1
清「本当やな?」
竜子「本当や」
清「いつも知らんのは俺だけや」
竜子「 明日、この人、タクシー乗せて」
清「病院?」
竜子「同級生に会うねん」
竜子、清に名刺を手渡す。
清「田嶋建設田嶋理江子」
竜子「あれの上司や」
清「知ってるんかいな」
竜子「当たり前や。私が男やったら天下取ってるで」
清「何時?」
竜子「朝11時」
清「何しに?」
竜子「解体やんか。新築するには、解体しなあかんやろ」
清「93歳。頑張るなあ」
竜子「何年働いてきたんや。まだだ負けへんで。もう一踏ん張りするで」
清「どこ?」
竜子「日本橋や」
清「お金持って行く?」
竜子「何処にある?あるかいな」
清「えっ?何もないのによく言うなあ。いつもの大風呂敷。勘弁して」
竜子「まあ、見とき。行ったらわかるわ」
清「誰も相手するか。また、変なことするなよ」
竜子「するかいな。ここまでやって来たんやからな」
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