看護婦さん、申し訳ございません。
先生に、ヤブ医者と言ってしまいました。
マドンナ看護婦「早く、退院してよくなってください」
第一、全然、よくなりません。直腸ポリープ手術しまして、2週間入院しました。
タクシー同僚たちは、ポリープと言えば、
「俺は、のどぼとけ」
「俺は、食道」
「俺は、胃」
全員、ポリープだらけです。
お客様から、
「弁護士やってるんだけれど、来週、心臓カテーテル手術受けるんだ」
「そうですか?私狭心症で、右ブロックです」
「運転大丈夫?」
「いやあ、もうダメです」
「他の車に乗り移ろうかなあ」
「もうすぐですから。大丈夫です」
「本当?それじゃいいけれど」
人のことより自分の体を、心配すればいいのに。
「来週ですか?」
「連れの医者で、任せろって」
「しない方がいいですよ」
「だから、したくないんだよ」
「オリーブオイルいいんじゃないんですか?」
「お茶に入れて飲んでるの?」
「はい」
「本当。俺も飲もうかな」
みんな、長生きしましょう。
第二、直腸癌では、ございませんでした。
助かりです。
入院中、妹の朴香織が、見舞いに来てくれました。
今から十年前の事ですから、妹も46歳。若い。京都一流料亭仲居から番頭さんです。
大出世です。
先生同窓会聞けば、驚きの声。
その妹朴香織が、見舞いに来て一言、
「おもしろい。ハハハハハ」
何か、いいことあったのかなあ。
こちら、癌じゃないんだけれど。
第三、
おばあさんも楽しそうだった。
珍しい場所が、良かったのでしょう。
同室のオッちゃんに、ニコニコ挨拶して、退室する時に、満面笑顔で振り返り、右手げんこつを高々上げて、こちらに向け振り下ろして、去っていきました。
私の丸坊主頭を、げんこつで殴るしぐさなのでしょうか?
おばあさんのご愛嬌。
顔右半分。
癌でなかったことを、喜んでいる笑顔。
顔左半分。
知らない場所を探検する喜び。例えば、お化け屋敷。
家でテレビごゆっくりどうぞ。