シナリオ PART25

朴、名刺見る。

朴「谷川菊江、谷川静雅。

菊と牙」

110 谷川整骨医院医務室 夜

暗い。

谷川菊江老女性医師(76)と谷川静雅看護師(45)が、朴一根に質問する。

谷川菊江医師と谷川静雅看護師二人とも、眼鏡している。

谷川菊江医師「どうしてここに来ましたか?」

朴一根「会社から紹介されました」

谷川菊江医師「それだけで?」

朴一根「 方角からいい方角なんで」

谷川菊江医師「占いで来たわけ」

眼鏡上げる。

朴の右手小指を、ひねり上げる。

朴「痛い」

谷川菊江医師「私ね、バスから降りる時、転けて跳ねられて、首の骨を骨折したの」

朴「首ですか?」

谷川菊江医師「そう。今も首が痛いの。ここ」

くるりと、後ろ背中向いて、後ろ首を出す。

谷川菊江医師「ここ。ちょっと触って」

朴、谷川菊江のうなじを撫でる。

谷川菊江医師「そこそこ。もうちょっと下」

朴、谷川菊江の肩を揉む。

谷川菊江医師「そこそこ」

谷川静雅看護師が、ずっと見ている。

朴、目を瞑って、谷川菊江の肩から腕を揉む。

谷川菊江医師「一人息子いるの。建築の勉強しているの」

朴「お医者さんに成ればいいのに」

谷川菊江医師「医者は嫌だって」

猫「二ヤーン」

目覚めた猫が、歩く。

谷川菊江医師「息子。服脱いで」

谷川菊江医師、服整える。猫を抱いて、廊下に出る。

111 谷川整骨医院廊下

谷川菊江医師、猫に餌やる。

谷川菊江医師、体操しながら、廊下を行ったり来たりする。

112 医務室

医務室から、朴が、谷川菊江医師の体操歩きを見る。

後ろ向きになった所を、朴が、医務室から出て玄関へ行く。

113 谷川整骨医院玄関

朴、急いで靴を履いて、玄関ドアノブに手を置く。

後ろから、谷川菊江医師が、朴の背中に抱きついている。

谷川菊江医師「どこ行くの?」

朴、天井見る。

天井に七福神の鬼絵が、飾ってある。

谷川菊江医師「放さない」

114 医務室

谷川菊江医師「お帰りなさい。脱いで」

朴「小指です」

谷川菊江医師「いいから」

谷川静雅看護師が、廊下見ながら、ドア閉める。

115 谷川整骨医院廊下

電灯揺れる。

カメラ下がって行く。