シナリオ PART26

118 朴の自宅

朴一根の手。

冷蔵庫上の缶貯金箱に、千円札を折り曲げて入れる。

119 朴の自宅前 朝

朴一根「行ってきます」

自転車乗る。

家の中から、朴山九の声。

「行ってらっしゃい」

朴一根、自転車停めて降りる。

後ろ振り返る。

誰もいない。

自転車押して歩く。

後ろ振り返る。

誰もいない。

自転車押して歩く。

後ろ振り返る。

誰もいない。

朴一根、行く。

谷川静雅看護師が、電信柱横から見ている。

120 狭い通勤道路

谷川静雅看護師が、遠くから朴一根の後ろ姿を見る。

猫を抱いている。

右人差し指を曲げる。

遠くを行く朴一根が、停まる。

後ろ振り返る。

誰もいない。

121 タクシー会社

朝礼。点呼。社長挨拶。

朴、社長の話を、皆いっしょに聞いている。

猫を抱いた谷川静雅看護師が、遠くから朴の後ろ姿を見ている。

眼鏡上げる。

朴が、社長の話聞きながら、後ろ振り向くが、谷川静雅看護師いない。

122 御堂筋淀屋橋

朴タクシー停車。

後ろ遠くから、猫を抱いた谷川静雅看護師が、朴タクシーを見ている。

お客様乗り込んで来る。

朴「ありがとうございます」

男性客「なんば」

朴「奈良」

男性客「なんば」

朴、振り向いて、後ろ遠くを見る。

男性客「なんば」

朴、後ろをジロジロ見る。

フェラーリ、走って行く。

朴、行かない。

男性客「運転手さん、出発」

123 中華料理店前

朴タクシー駐車して、中華料理店に入る。

遠くから、谷川静雅看護師が、猫抱いて見ている。

朴、振り向かない。

124 野球公園

朴が、缶コーヒー飲みながら、少年野球を見ている。

後ろから、谷川静雅看護師見ている。

朴、振り向かない。

「ホームラン」

125 伊丹空港

朴が、飛ぶジェット機を見ている。

遠くから、谷川静雅看護師が、朴を見ている。

126 ペットショップ

朴が、金魚や亀を見ている。

後ろから、谷川静雅看護師が、猫だきながら見ている。

朴、無視して、カブト虫見ている。