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20 松本竜子の家の前 深夜
松本竜子の家。
松本の指が、壁のインターホンを押す。
「ピンポーン」
家の前のスナックの扉が開いて、女の声。
スナック女A「ありがとうございました」
スナック女B「ありがとうねえ」
松本、インターホンを押す。
「ピンポーン」
スナック女C「ありがとうございました」
家の前が、スナック客5人とスナック女5人で、ごった返す。
スナック女D「わすれもの。わすれもの。わすれもの」
スナック女E「またねえ」
松本、インターホンを押す。
「ピンポーン」
反応なし。スナック女たちの笑い声。
スナック女A「ありがとうございました」
女たち、客に手を振っている。
客去り、女たちもスナック店に入ってドア閉める。
松本、インターホンを押す。
「ピンポーン」
松本、ドアの把手を引こうとする。
家の中から、ドア開く。
「だれ?」
95歳の松本竜子が、眠そうにしながら開ける。
竜子「遅いなあ」
松本、家の中に入る。
竜子「お帰りなさい。疲れたやろ」
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