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31 大時計台 晴れ

ハーレーダビットソン爆音。

時計の針が、12時50分を指している。

大滝妙子N「解体入れて3階建て安くて2600万円。今回、2000万円元金だけ。

意地でも息子に色仕掛けローン組ませてやる」

32 大通リA 晴れ

ハーレーダビットソン運転の大滝妙子が、爆音なびかせる。

妙子N「若いからローン1000万円にしよう。ノルマ達成」

33 大通りB 晴れ

ハーレーダビットソンが、走る。

妙子N「あの交差点に、新しいカフェ」

34 大通りC 晴れ

ハーレーダビットソンが、走る。

妙子N「あそこは、ラーメン美味しい」

35 大通りD 晴れ

ハーレーダビットソンが、走る。

妙子N「ステーキ、ジュージュージューシー」

36 海岸沿い 晴れ

ハーレーダビットソンが、走る。

妙子N「海は広いな大きいな」

37 空港沿い 晴れ

飛行機見ながら、ハーレーダビットソンが、走る。

妙子N「来年は、ニューヨーク」

38 大橋 晴れ

ハーレーダビットソンが、橋上走る。

妙子N「鯉釣って、みんな恋してる」

39 下町狭小道路 晴れ

ハーレーダビットソン、四角曲がる。

妙子N「ここ、ここ」

40 竜子の家の前 晴れ

爆音の妙子来る。

妙子N「濡れ濡れにしてねじ伏せて印鑑印鑑印鑑押せ」

家の前で停まる。

前のスナックビルのビル2階の窓、一瞬開く。

スナック女A「なに?」

窓閉まる。

妙子、ハーレーダビットソンから派手に降りる。

黒ヘルメットを脱ぐと緑色のロングヘアをなびかせる。

眼鏡越しに竜子の家を睨む。

妙子「(指で呼ぶ)いらっしゃい。2階建てでも3階建てでも建ててあげるわよ。

建てるなら若いうち」

鞭でドア叩く。

「ブーブーブー」

ハーレーダビットソンに乗っている小学生が、ブザー鳴らす。

妙子「ダメダメダメ。なにしている」

妙子、小学生たちを、追い払う。

41 竜子の家1階

妙子と清が、お膳を挟んで向き合い座っている。

妙子N「じじい、しゃべれ。なに眠ってる。こっち見ろ」

清N「目に毒だなあ。若い女は、恐ろしい。目が、開けられない」

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