4-5

4-5

58 竜子の家の前 昼 晴れ

妙子が、スマートフォンで話しながら、

玄関ドアから出て来る。

妙子「社長、大至急、わかっています」

田嶋理江子社長が、電話向こうで怒鳴っている。

田嶋理江子社長N「早くしなさい。早く。わかってるの。

時間遅れないで。わかってるわね。早くしなさい。遅れちゃダメ」

妙子「わかっています。早くする。遅れない。そして」

田嶋理江子社長N「早くする。遅れない。そして?」

妙子「そして」

田嶋理江子社長N「そして?」

妙子「 そして、裁判所」

田嶋理江子社長N「そう、裁判所。裁判に持ち込めばこちらの勝ち」

59 竜子の家 1階 晴れ

お膳の前に座っている清。

その横に、竜子来る。

お膳の上に置かれいる妙子の二つのスマートフォン

清が、手で、やめろのサイン。

60. 竜子の家の前

妙子「裁判所ですね」

理江子社長N「そう、裁判所」

妙子、スマートフォン切って、玄関に入って来る。

61 竜子の家1階

竜子、妙子の黒鞄を持つ。

清N「やめろ」

竜子、妙子の黒鞄を、お膳の上にぶちまける。

財布。

竜子が、財布の中身を見る。

清N「ダメダメダメ」

ガラケー携帯、タブレットiPAD

トランプ、運転免許証。

それに、ピストル。

竜子が、清の頭にピストル向ける。

清N「えっ?」

竜子が、ピストル打つ。

ライターピストルで、火が点く。

妙子が、部屋に戻って来る。

妙子「失礼。何これ?」

62 竜子の家1階 台所

竜子が、座って二人の話を聞いている。

63 竜子の家1階 部屋

黒鞄は、元の位置。

お膳の上に、ライターピストルと灰皿。

清「ちょっと、ライター借りました」

妙子「鞄の中、見たんですか?」

清「見てない」

妙子「本当に」

清、腕組んで、目を閉じる。

妙子、目を閉じている清の額に、ライターピストルを構える。

清、目を開ける。

見つめ合い、声出して笑う二人。

妙子「火災保険の書類、置いときます」

64 竜子の家1階 台所

竜子が、壁を見つめて座っている。

座っている竜子。

一点を見つめる竜子。

(WIPE)

iPadから送信