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84 竜子の家 1階居間 夜

クレジット「3ヶ月後」

電子レンジのチーンの音。

貴志が、電子レンジから、コンビニ弁当3個取り出す。

お膳で、貴志、清、竜子3人が、コンビニ弁当で、夕食している。

貴志「新築の家、どうなった?」

清「知らん」

貴志「なしか」

清「タクシーで駅前停まっているやろ」

貴志「お父さん?」

清「それで、お客さん来はってん。鞄持った女の人。目の前のホテルや。行ってくれ。

見えてるねん。ワンメーター。歩いた方が速い。行き先言われて、黙って運転してたら、

なんやあんた。喋りいな。ありがとうございます言うてるんやで。喋ったらどうや。

怒鳴られて、考えた」

貴志「考えた」

清「喋らなあかん。また、乗って来はってん。女の人。鞄持って。

また、目の前のホテルや。ワンメーター。喋らなあかん。

考えてる。住所はどこですか?目の前見えてるけれど、

同じ名前のホテルでもいっぱいあるからな。住所は?尋ねた。

そしたら、何が住所や。あれ見えてるホテルや。何言うてるんや。

まともな受け答えできんか?そういうから、こっちも、また、考えた」

貴志「おお」

清「お客さん乗ってきた。女の人や。鞄持った。行き先、また、目の前のホテルや。

こっちも考えてるからな。知らん言うた。そしたら、 その女のお客さん、スマートフォンで、

地図見せてくれて、ここ行って言い張った。見えてるんやで。

さっき、何の質問や?」

貴志「新築、どうなった?」

清「知らん」

横で、コンビニ弁当食べながら聞いていた竜子が、吹き出す。

竜子、笑う。

竜子「ばかやろう」

竜子、清に殴りかかる。

竜子「ふざけやがって」

竜子と清、笑いながら、お互い襟首を持って、お膳の上に倒れ込む。

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