131 中央卸売市場 朝
マリア・ブロンズが、ねじり鉢巻き姿で、魚を売っている。
マリア「いらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい」
132 神戸六甲アイランド
夕陽。
海。
高層マンション。
133 マリア・ブロンズ自宅
夕陽。
マリアと夫田中肇と娘香萌が、夕食を食べている。
マリア「いただきます」
香萌「いただきます」
田中肇「いただきます」
3人 、食べる。楽しそう。美味しそう。家族団欒。
134 神戸中華街のレストラン
食べられない。
テーブルには、食事一杯。料理一杯。デザート一杯。
朴山九と金順子の結婚式打ち合わせ。
その前に、こちら、山九の履歴書です。順子さんの履歴書は、持って来られましたでしょうか?」
金順子「はい、こちら」
母李鳳淑「ちょっと。ちょっと待ってください。二人が、好きになって結婚式を挙げるんですから、履歴書持って来なさいは、おかしいでしょう」
朴一根「その通りです。形式です。深い意味ないです。
ただ、知り合いの女性で、お見合いして、結婚しました。
旦那さん、働きません。借金だらけで、金貸してくれ。
逃げたら殺す。言われて、今、男の面倒見て働いています。そうなったらどうします」
母李鳳淑「そうなったらどうしますって、そっくりお言葉お返しします。何をおっしゃってるんですか?」
父金和男「ちょっと、待って」
朴一根「私らは、タクシー運転手。息子は、コンビニ店員。労働者なんです。労働者は、履歴書を書かなくちゃいけないんです。商売人じゃないんです」
母李鳳淑「承知の助です。もちろん。当たり前。決まりきったことでしょう。あなた、お父さんでしょう。父親なら、父親らしくしなさい」
朴一根「嫁さん、逃げました。この席で、言う必要ないでしょう」
母李鳳淑「何という親や」
李鳳淑、テーブル蹴る。
135 マリア・ブロンズのレストラン
マリア・ブロンズが、ワインを持って来る。
ワインを、空グラスの山に注いで行く。